Appleが究極に目指していること。
それは、「人々の生活に、シームレスに、無意識に溶け込む」ことだと思っている。
Apple自身、「体験」という表現をよく使う。
人 ▷ モノ ▷ 体験
人は、物(や行為)を通して体験を得るけど、物はあくまでも手段であって、人々の目的は物ではなく、体験。
もっとも理想的なのは、物という触媒を意識することなく、体験を得ることなんじゃないだろうか。
OS XとiOSの融和を推し進めているのも、Appleが目指す形への1歩だろうと思う。
iPad Proは、ハイスペックPCではない。持ち運びを優先したモバイルでもない。
ただし、その間をつなぐプロダクトであることは間違いない。
漫画家がネームを書く。
デザイナーやイラストレーターがアイデアをスケッチする。
フォトグラファーがイメージをチェックする。
商談でプレゼンをする。
そういうプロユースにカッチリフィットしそうなデバイス。
質よりもスピードを求めるときはiPhoneで。
作り込み、仕上げるのは、Macで。
ひとつのゴールに向かって、Appleのプロダクトたちが、それぞれの役割を自然に果たす。ユーザーは、無意識に身を委ねる。
Appleは、人々の生活の中に、これまでにない体験をデザインし、自然にサポートするプロダクトを発明する。
今のAppleが描く理想的な未来のために、足りなかったパーツ。必要だったパーツ。それが、iPad Proだったのだと思う。